ChatGPTに特許分類ごとの市場規模を聞いてみる
今回はChatGPTを使って特許起点で市場分析をする話です。
特許情報分析によく使う国際特許分類(IPC)では機能・性能、対象、商品・用途、素材・材料などで技術を細分化しています。通常の知財業務でChatGPTを使う場合には、その分類の技術内容を解説させるような使い方が便利です。しかし、市場規模を理解しておくことは後述するように特許情報分析をするうえでメリットがあります。
と言うことで、普通に特許情報分析をしているときにはこういう質問はしないと思いますが聞いても誰も怒らないのでとりあえず質問してみましょう。
この例では、「化合物または医薬製剤の特殊な治療活性」に関するA61Pに含まれる各グループごとの医薬品の用途(疾患別)の市場規模を聞いてみました。
※この例では39/00までを聞いていますが、A61Pには43/00まであります。
各グループが表す疾病別の医薬について概略の市場規模を教えてくれました。正確性については一旦横に置きますが、未知の分野における商品の市場規模感を簡単に得られるのでとても便利です。通常であれば、業界団体の統計を探したり、業界の主要企業の売上を調べて推計したり、過去の市場調査レポートを探したり、調査会社に調査を依頼したりするかと思います。これらの調査は、お金をかければ数十万円~とかなり高額になりますし、自分で市場を調べてもいいですがとても手間がかかるうえに調べ切れることは少ないのではないかと思います。しかし、ChatGPTであれば少額の月額利用料だけでざっくりの規模感がわかるのでとても便利です。
市場規模を知ることで、例えば「市場規模の大きい分野から詳細分析する」など分析をする際の優先順位を決められます。市場が大きければ大きいほどそれらのビジネスをしている当事者は多く裾野も広くビジネスはチャンスがある可能性は高いと言えます。8/25に開催のR&D支援センターのセミナーではこの結果も参考にA61P35/00の抗腫瘍薬に関してグローバル分析をしました。
そして、特許情報分析の観点からみた場合、市場規模に比べて出願件数が少ないときに「なぜこれだけの大きな市場なのに出願件数がこれだけしかないのか」とか「もっと出願されているはずだから分析をするための母集団を再検討すべきでないのか」といった疑問を持つことが出来ます。この疑問について情報収集し確認することで、市場特有の事情がわかったり、例えば母集団を作るための検索式を修正したりすることができ、分析結果の深さや正確性を改善することができます。
また、これと出願件数を掛け合わせて考えることで、未知の分野でも仮説を立てやすくなります。
以上のように、マーケティング分析と特許情報分析を連携することでビジネスに役立つ特許情報分析をすることもできます。弊所では、このような分析も行っています。
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