IPCサブグループの配下の分類をリスト化する

今回の記事では、IPCのサブグループ分類の配下に含まれる特許分類をリスト化する弊所開発のツールを紹介します。

このツールは、「任意のIPCサブグループの分類を打ち込んだら、その配下のサブグループの分類を任意の区切り文字で返してくれるツール作ったら便利そう」という思いつきから開発しました。

IPCなどではクラスからサブグループまでの5階層の下に、サブグループ内で技術を更に細分化し「・」の数で階層を表した更に下位の階層構造があります。

このような階層構造であるため、例えば画像の3行目の「H01L29/78」については、H列に示す3つの分類で更に細分化されるわけですが、調査や分析の場面でこれらの細分化分類も含めて検索や集計をしないと適切な調査や分析ができない場合があります。
また、サブグループの配下の分類を抽出しづらい理由として、前方一致で抽出できない点も挙げられます。例えば、画像の4行目の「H01L29/66」では、配下の分類として「H01L29/68」から「H01L29/96」までが含まれますが、「H01L29/96」のようにサブグループを表す「/」以下の文字が元の分類と全く異なってしまう場合があるからです。

もちろん、弊所で導入しているJP-NETやPatBaseなどの有償特許調査DBの場合には下位の分類を含めるようなコマンドもありますが、無償で利用できるJ-PlatPatやLens.orgなどの特許検索データベースではこれらの下位の分類を考慮した検索が難しい場合も多々あります。

そこで、このツールではG列のセルにIPCを貼り付けると、下位の階層で配下として含まれる分類を任意の区切文字で区切った状態でH列にリスト化することができます。


通常、特許情報分析をするときは特許分類ごとの出願件数などを集計するのですが、配下の分類まで考慮して集計するのは困難な場合が多く、このような場合に、このツールのように自動的に配下の分類がリスト化できると効率的に分析することができる場合があります。

なお、画像では、区切文字を「;」にしていますが、弊所で分析に使用しているパテントマップEXZでは、複数のキーワードや分類などを「;」で区切ってリスト化したものを使って名寄せやグループ化をすることができるので、この区切文字を使っています。

もちろん、PMGSのような特許分類情報を閲覧できるサイトで確認し一つ一つコピーして検索式に書き込んでもいいですが、見落とす可能性がありますし単純に面倒な作業なので、自動化してよかったなと思っています。

 今回の記事は以上です。

 弊所では今回説明したツールなど様々な特許情報分析の手法を鋭意開発しており、クライアントの要望に沿った分析手法の開発も行っています(なお、弊所では顧問契約をしていただいているクライアント様には弊所開発のツールを自由に利用して頂いています)。
 また、このような分析手法に関する個別指導・セミナーや、個別の分析プロジェクトについても対応可能です。ご相談などありましたら管理人の特許事務所のページからお知らせください。
 よろしくお願いします。