J-PlatPatのリーガルステータス機能がアップデートされていました。
今回の記事では、J-PlatPatのリーガルステータス機能のアップデートに関する情報と、これを使った分析事例を紹介します。
2023年12月2日にJ-PlatPatのリーガルステータス機能が大幅にアップデートされました。このリーガルステータスとして、ステージとイベントという2つのステータス情報が追加されました。これにより、権利の有効無効の情報、審査などの進捗状況まで確認できるようになりました。この機能の詳細については、事務所のホームページアップデートされた当時に紹介記事を書いているのでそちらを確認してください。
J-PlatPatの特許・実用新案検索にリーガルステータス関連機能が追加されました。 | 佐藤総合特許事務所 (sato-sogoip.com)
そんなわけで、この記事ではアップデート当日に分析してXに公開していた分析事例を紹介します。
下の画像に示す分析事例では、JASMの熊本設立で日本への影響力が高まっているTSMC社の出願を検討しています。同社の日本での出願をJ-PlatPatで確認すると500件ほどが公開になっていますが、これを出願年別に集計し凡例としてステージを設定することで画像のような分析ができます。これによれば、いつの出願の権利が残っているとか、いつの出願が審査の係属前後かといったことが確認できます。
特許マップとして見ればただ出願時期などが分かるだけですが、ビジネス動向を踏まえて検討すると、2020年後半には日本での出願を増やす判断をしていたといえます。このため、JASMの熊本設立発表よりもずっと前からTSMC内ではそのような動きがあり、特許情報を分析すればその動きを推測できた可能性が高いといえます。
このようなステータス情報を使った調査や分析ができるようになったことで、侵害予防調査では権利のない特許は除外して効率的に検討をできたり、有効な権利の割合から重要な技術分野はどこかといった分析がJ-PlatPatのデータに基づいてできるようになりました。
J-PlatPatでは今年の2月にも新たな機能強化が図られており、ユーザとしては便利な機能をどんどん追加して欲しいと期待しています。
今回の記事は以上です。