J-PlatPat検索式作成ツールのトリセツ(ユーザー向け)

できること、できないこと

このJ-PlatPat検索式作成ツール(以下、本ツール)では、J-PlatPatの論理式タイプの入力方式で、ある程度複雑な検索式を作成できます。
このツールだけでは特許や実用新案の検索はできないため、本ツール内のリンクからJ-PlatPatの「特許・実用新案検索」のページにアクセスして検索を行ってください。

機能の概要・特徴

誰でも使用できるJ-PlatPatを使用するためのツール

有償特許検索データベースの場合、組織内全員に使用権限を設定できないこともありますが、J-PlatPatは誰でも利用可能なため検索ツールであり、本ツールの共有先組織の関係者(例えば社内メンバーなど)であればどなたでも利用することができます。なお、使用可能な範囲については「販売、共有、再配布、サポートおよび改造」の項目をご確認ください。

3つの手順に沿って設定・入力するだけで、論理式入力の検索式を簡単かつ効率的に作成できる

有償特許データベースと同様に、複数の個別式を論理式で合成することで検索式を作成することが可能です。検索項目を簡単に設定できるため、検索項目(構造タグ)を覚える必要もありません。
個別式には、検索ワード、論理式、コメントを設定できます。また、個別式にも論理式を設定することで、複数の論理式を作り、それらを合成して検索式を作成することが可能です。コメントアウト機能(※)もあるため、検索式の意図、特許分類の説明、検索結果(ヒット数)をコメントで残すことができます。検索ワード、論理式、コメントの種類に応じて、それぞれ異なる色で視覚的に区別されるようになっています。

※個別式で検索ワードの後に「 //コメント」のように半角スペースと半角スラッシュ2つの後にコメントを付けると、検索式には反映されないようにする機能です。

Excelなので検索の記録が残しやすい

J-PlatPatにも検索式を保存しておく機能がありますが、使い勝手は正直よいとはいいにくいです。本ツールでは、シート単位で検索式を保存できます。また、1つのシートに必要な情報を全て集約しているため、例えば複数のタイミングで作成した検索条件を1つのファイルに保存し管理することも可能です。さらに、個別式の最終行(25行目)までを1ページの印刷エリアに納めるように設計しているため、紙に印刷したりPDFで保存することもできます。よく使う検索条件については、個別式の保管エリアに保管しておくことが可能です。

古いExcelでも使える

本ツールはMicrosoft 365などの新しい関数(LETやTEXTSPLITなど)を使用せず、少し古いバージョンでも使用できるように作っています。このため、最新版のExcelが利用できないより多くの組織で利用できます。

使用例

簡単なテーマについて検索式を作成した事例の記入例(使用例)を示します。

作成された検索式

[(酸素飽和度,2n,測定+パルスオキシメータ)/TI+(酸素飽和度,2n,測定+パルスオキシメータ)/AB+(酸素飽和度,2n,測定+パルスオキシメータ)/CL]*(腕時計+ウォッチ)/TX+[A61B5/1455/FI+A61B5/1455/IP+(4C038KK01)/FT]*(酸素飽和度,2n,測定+パルスオキシメータ)/TX*(腕時計+ウォッチ)/TX


上の検索式をコピーし、以下のURLからJ-PlatPatの「特許・実用新案検索」を開いて「論理式入力」を開き、検索式を「論理式」のボックスに貼り付けて検索してみてください。

特許・実用新案検索|J-PlatPat [JPP]

基本的な使い方と仕様と注意事項

基本的な使い方については、画像のG列からK列の説明、および、ラベル行につけた個別の項目の説明のコメントを確認してください。

本ツールの仕様と注意事項

  • データがある行や列の追加や削除は禁止です。 本ツール全体の機能が壊れる可能性があるためです。
  • 個別式の「検索項目」、「検索ワード・論理式・コメント」、「機能」の値を他のセルにコピーする際には必ず「値のみ貼り付け」を使用してください。 表示形式が崩れ、意図する表示色で表示されなくなるためです。
  • 個別式は25個まで設定可能です。 25個以上設定したい場合には各自で個別式の行を追加して改造してください。ただし、J-PlatPatの「特許・実用新案検索」の仕様により検索式全体の字数制限が500文字であるため、行数を増やしてもすべてが検索に反映されるとは限りません。
  • 個別式における論理式が長すぎる場合には注意が必要です。 個別式を合成した後の検索式で、内容が正しく読み込まれなくなる可能性があります。この場合、検索式の下の論理式記入欄(7行目)に直接入力して対応してください。

J-PlatPatの「特許・実用新案検索」の仕様

  • 字数制限について:「特許・実用新案検索」の論理式入力では検索式として500字までしか入力できません。このため、本ツールで500字を超える検索式が作られた場合にはエラー色で表示されます。分類を省略して記載するなど字数を減らすように変更してください。もっと複雑な検索式を作成して検索したい場合には、JP-NETやPatent SQUAREなどの有償の特許検索データベースの導入を検討してください。
  • 識別番号などの番号の括弧について:識別番号のような番号は小括弧( )でまとめることができないため、個別に検索項目の構造タグ(/ANなど)を付ける必要があります。「機能」から「かっこ外し」を選択してください。
  • 大括弧の使用について:大括弧( [ ] )は重ねて使用することができません。適宜分配して、大括弧が重ならないようにしてください。
    • 【NG】 [[1+2]+[3+4]]*5
    • 【OK】 [1+2]*5+[3+4]*5

販売、共有、再配布、サポートおよび改造

  • 販売について:現時点では本ツール単体での販売は行っていません。
  • 共有について:弊所の既存クライアントの企業様・大学様、および有償セミナーの参加者など、継続的にコミュニケーションを取れる方に限り、本ツールのアップロード先をお知らせすることで共有しています。アップロード先のファイルは閲覧とダウンロードのみ可としていますので、各自のPCにダウンロードしたうえで検索式を作成してください。
  • 再配布について:本ツールは、共有先をお知らせした方の所属組織内での使用に限ります。大企業からの子会社等への再配布を含む、組織外への再配布を希望される場合には、事前にご相談ください。
  • クライアントへの共有について:特許事務所や調査会社でクライアントに検索式を共有したい場合、①完成した検索式のテキストのみを共有する、②PDFに印刷したものを共有する、又は、③紙に印刷したものを納品する、のいずれかの対応をお願いします。
  • サポートについて:無償でのサポートは行っておりません。常識の範囲内で質問には対応する場合もありますが、基本的にはサポート契約か顧問契約の締結をご検討ください。
  • 改造について:本ツールのユーザーによる改造は特に制限していませんが、こちらで更新するバージョンに取り込めるように改造されることをおすすめします。

本ツールの活用法

本ツールを以下のように活用することで効率的に調査をし、又はその管理をすることができます。

J-PlatPatで取得したCSVと組み合わせて調査記録として使用する

J-PlatPatでは、3000件までの検索結果についての主要書誌情報に関するCSVを取得できますが、本ツールを使って検索式を作成して検索して取得したCSVを本ツールのExcelファイルに取り込むことで、検索式+検索結果の組合せとして、わかりやすく記録を残すことができます。
また、例えば所定期間後(例えば1年後)に同じ検索式で再度検索するようなときにも全く同じ検索式を使用することができます。そのような場合には検索の実施日の日付8桁のシート名としたものを追加していくことで過去の調査結果をわかりやすく管理することができます。このような場合には、新たな検索結果についてスクリーニングする際に過去の調査結果を参照することもできます。

複数の検索式を収録した検索記録を作成する

本ツールは1件の検索式を1シートで作成しているため、1つのExcelファイルに複数の検索式を保管し効率的に管理することができます。
例えば「検索実施日の8桁の数字」でタブ名として記録し、別途作成した管理用のシートからHYPERLINK関数で各検索結果のシートにアクセスできるようにすることで効率的に管理も可能です。これにより、例えば「事業部(クライアント)ごと」や「所定の期間(例えば1年)ごと」に1つのExcelファイルで検索式を管理するような使い方も考えられます。

更新の予定・希望とバグ連絡

  • 更新の予定:2024/11/6時点で更新の予定はありません。
  • 更新希望やバグ連絡:更新を希望する事項やバグの連絡がありましたら、既存の連絡先からお知らせください。対応可能であればアップデート版を所定のフォルダにアップロードします。なお、更新版は他のユーザーも利用可能になりますので、希望内容は他のユーザーも使って問題ない内容に限るようにお願いします。また、本ツールやJ-PlatPatの仕様上対応が困難な場合など対応できない場合もありますのでご了承ください。

免責事項

本ツールの使用による不利益が生じた場合、原則として責任を負いません。顧問契約など個別の関係がある場合にはその範囲で対応いたしますので別途ご相談ください。

FAQ

現在準備中です。今後追加される予定です。

関連リンク

J-PlatPat「特許・実用新案検索」の関連リンクです。

更新履歴

アップデート版をアップロード時に更新予定です。最新版では機能が不安定な場合もあるため、アップロードフォルダでは少し前のバージョンも保持しています。

2024/11/6 本ページを作成し、ver.20241106をアップロードしました。

ver.20241106では以下を改良しました。

  • 個別式で検索ワードのみに付けていたコメントアウト機能を論理式でも利用できるようにしました。
  • よく使う検索項目が検索項目のドロップリストで上に表示されるように並べ替えました。

2024/11/11 ver.20241106aをアップロードしました。

ver.20241106aでは以下を改良しました。ツールの機能自体は変えていないのでは前バージョンを使ってもらって基本的に問題ありません。

  • 検索項目のドロップリストでの並び順を少し変更しました(全文と発明者を上の方に移動)。
  • 記入例のシートの保管個別式に特殊な個別式の記入例を追加しました。

2024/11/15 ver.20241106Xをアップロードしました。

ver.20241106Xでは以下を変更しました。内部処理は変更していますがツールの機能自体は変えていないのでは前バージョンで使える場合はそのまま使って貰って問題ありません。

  • 使用関数を制限してより古いバージョンのExcel(Excel2013相当)で動作するようにプログラムを変更しました。具体的には、CONCAT関数を使用しないプログラムにするために、細かい処理を個々に行わせ、それらをまとめる処理を作業エリアを用意しそこで具体的な処理は実行しています。このような目的のために、個々の個別式に含める項目数は20個程度までにしてください。
  • バージョン管理の都合上、このバージョンは基本的にアップデートはしない予定です。

(以下、更新時に追記)

以上